“ビタミンB” 聞くとどのようなイメージが湧くでしょうか。栄養学の観点から申し上げると「最重要ビタミン」といっても過言ではありません。診察でも「これだけは必ず摂ってね!」とお伝えしています。今回はその理由と、ビタミンBの有用性についてのお話です。
1.ビタミンB群とは
ビタミンB群はB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種から成る水溶性ビタミンです。水溶性なので、適宜摂取が必要になります。生体内のありとあらゆる反応に関わっており、8種のBがそれぞれを補完しながら働いています。つまり、摂取する際は、複合体( complex )としての摂取が推奨されます。
2.ミトコンドリアの3大栄養素
ビタミンBは、鉄やマグネシウムと同様、ミトコンドリアの3大栄養素の一つです。体内のエネルギーであるATPを生成する反応経路にビタミンBがたくさん使用されています。パワーを生むには不可欠の栄養素です。
3.ビタミンBは不足しやすい
ビタミンBは主に糖質や脂質の代謝に大きく関わります。日本で生活していると、糖質・脂質摂取が多くなります。そのため簡単にビタミンBが消耗します。不足すると、慢性疲労感や集中力が途切れる、肌荒れ、免疫力の低下、太りやすく痩せにくくなる、といった病気ではない症状、愁訴が現れます。
4.基本は食事からの摂取
やはり基本は経口摂取です、食事からの栄養が重要です。
- B1 : 豚肉・玄米・ウナギ
- B2 : 牛乳・レバー・海苔
- B3 (ナイアシン) : かつお、たらこ、落花生
- B5 (パントテン酸) : 卵黄、納豆、レバー
- B6 : マグロ、バナナ、にんにく
- B12 : あさり、しじみ、カキ
- 葉酸 : 枝豆、ほうれん草、海苔
- ビオチン : いわし、卵、落花生、大豆
と、多岐にわたります。日本食に含まれるものが多いですね。食事での摂取を意識しながら、サプリメントでもしっかり補いましょう。
5.栄養検査で不足の程度をチェック
食事を意識しても、消耗されやすいビタミンBは、ほとんどの人で足りていません。今までビタミンBが満足に摂取できているな、と感じた人は片手に収まるくらいしかおられません。血液検査で不足の度合いを解析することが可能です。不足している程度に対して、必要な量を、ビタミンB複合体のサプリメントで補います。
ビタミンBは身体を元気に、健康に保つための最重要ビタミンです。摂取することで、比較的早期から疲労感を感じなくなり、肌管理しやすくなり、様々な好影響を感じます。ぜひ一度、血液検査をして、どの程度栄養が不足しているかを確認し、補いましょう。今お持ちのつらい症状(病気ではないもの)の原因は、もしかするとビタミンB不足かもしれません。